ART LAN@ASIA〜アジアの新☆現代美術!!

I am a ポップアーティスト ナンシー・ラン

今までにないアートフェスティバルがしたい。

―テーマソングを作りたいという発案をされたのはナンシーさんなのですよね?

はい、そうですよ。

―ではどうして、テーマソングが必要だと思われたのですか?

今回のART LAN@ASIAは、日本、中国、韓国それぞれの有名な若いアーティストが集まっています。今までは、無名な若手アーティストや有名な年配アーティストのみが集まる国際展が主流で、よくあるパターンだったと思います。
でも、ART LAN@ASIAはそれらとはまったく違うもの。
特に、キュレーターのレナ(増山麗奈)に選ばれた今回のアーティストは、ヨーロッパやアメリカを含め、世界的に注目されている作家が多い。

だから今までの展覧会と別のものにするための仕掛けが欲しかったの。
音楽は、目で見る芸術よりある意味強い印象があると思うので。

―でもなぜあのような明るい曲なのですか?

シニカルな曲やストイックな曲を製作物と結びつけて、音楽活動とアート活動を両立しているアーティストというのは結構いますよね?
わたしはあんまり好みじゃないけど…。
ほら、日本人でもいるでしょう?

―いますね…。私が真っ先に浮かぶのは大竹伸朗さんとかオノ・ヨーコさんとかですが。
彼らの場合は、その前衛的な雰囲気がアートと結びついているようですけど。

私の作品のコンセプトは、「見る時は気楽で一目で見られるもの」。
でも、隠れたテーマは「一度見ると多くを語りかけてきて、考えさせられるもの」。
私がやりたいのは、ポップアートなのです。
それにアートは本来もっと身近にあってもいいと思うの。
だからテーマソングは明るくてキャッチーであるほどいいのです。
今までのカチカチのアートイメージを覆して、みんなで楽しめるものにしたいから。
それに私自身がたとえストイックでも暗くて淀んでいるものがあまり好きではないから(笑)

―確かにあの曲は、こどもも大人も楽しめる、そんな雰囲気がありますね。
でも、あのような曲を取り入れる事で、逆にアート界からは批判を受けそうですけど。

ええ。それは確かにあるでしょう。
苦労するかもしれませんね。
でも、なんとか作り上げる事ができたわ。そこが大切だと思います。
この曲を通してアートには、情熱さえあれば不可能はないということを訴えてきたい。


ナンシー・ランを取り巻くコンテンポラリーアーティストからの猛烈な反発。

―ART LAN@ASIAに出品される作品について聞かせてください。

私は「Taboo ユーギニ Swinger」という作品を出品します。
「ユーギニ」とは、英語で言うと「ルシファー」で、悪魔と天使が共存している存在。
でも、このロボットは、みんなの夢のかなえるためのロボット。
人間と神の間を行き来するメッセンジャーなのです。

―僕には、結構グロテスクな存在に見えるのですが。

この作品は、人間の二面性を強いコントラストで表現しているわ。
右の足には人間の内蔵が合体した臓器の固まりがあるでしょ?
左の足にはジェットがついています。
これは痛みと快適さのギャップを表しているのです。

また、手には武器、盾、ラケット、ボールなどが握られています。
ラケットの代わりに、ルイ・ヴィトンのバックを持っていことも。
それらを繋いでいる胴体には、凄くクールで無感情な顔がついている。

この作品が示しているのは、デモクラシー。
つまり、民主主義なのです。

―民主主義というのは、正しくて、自由みたいな印象がありますが。

あなた、結構抜け作なのね。
民主主義的な社会に、韓国もアメリカもおそらく日本も属しているでしょ?
そして、その民主社会というものは、昔みたいなおもむろに殺し合いをしません。
でも、実際は教育、ビジネス、自由競争みたいな事を絡めた殺し合いや戦争が発生しています。それに一見戦争だって分からないものも増えましたしね。
「Taboo ユーギニ Swinger」は、その民主主義の痛みを感じつつ、人々の願いを叶えるものがついている使者。でも使者とはいえ、人間の善悪を判断するので人間が乗れて操作できるモビルスーツなのです。

―シンプルに見えるけど、いろんな意味があるのですね。

そうですね。でも、それが現代美術の条件だと思います。

―ナンシーさんを想像するとき、僕はキム・ギドク(韓国の映画監督 ベネチア国際映画祭銀獅子賞(最優秀監督賞)、ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞)を受賞)が頭に浮かぶのですが。

ああ(笑)私、彼の作品は大嫌い。ヘヴィーで好きになれない…。
でも、彼とは現代のバッシングされる若手アーティストとして、新聞で一緒に特集された事があるの。だから確かに身近に感じている存在ではあるかもしれませんね。

―そうなのですか!?

そうです。
大御所たちから私もキム・ギドクもボロクソに言われています。
特に私の場合、造ったもの、発言、行動がみんなに伝わりやすい分、反感や誤解を多く産むわ。でも、それはある意味私のすべてがポップアートだって事だともいえるけど。
キムの場合は、映画に重点を置いている作家だからどうか知らないけど、私は、自分に対する共感や批判から、さらに次の段階のアートをいろんな形で生み出してきたし、これからもそうすると思います。
だからバッシングがあった方がむしろいいかもしれないと思います。

―んん、大変ですね…。では、最後に横浜の人にメッセージを。

私たちの作る作品は、ディズニーランドみたいなこどもに夢を与えるたぐいの楽しさありません。でも、ART LAN@ASIAに参加しているアーティストが作る作品は、大人もこどもも人種も問わず楽しめるファンタジーだと思うの。
だから、横浜というよりは、全国の、全世界の人に見てもらいたい。そう思っています。
絶対楽しめるから。たくさんの人に見にきてほしいですね。

Copyright © 2005 Rena Masuyama All Rights Reserved. info@renaart.com
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